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靴作家になるための1日《僕と自家製靴店》

30歳を過ぎ靴作りを学び、靴作家として仕事を作っていけるのか!? ノンフィクションでお届けします (笑)

【姫路タンナー工場見学編】「モノ」ではなく「命」に触れているということ

 

「現場で感じることってやっぱり凄いな。」

 

今日は兵庫県姫路市にあるタンナーへ工場見学。

姫路駅からバスで少し行けば、馬革のタンナーの集まる町、花田町がある。

お世話になったのは主に馬革の鞣し(なめし)を行っている大昌さん。 

 

大昌さんはすごくオープンで親切な会社でした。

写真撮影も良いとのことで、質問もたくさんさせていただきました。

感謝の気持ちも込めて少し記事を書いていきたいと思います^^

 

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13:30 大昌さんへ到着。

会社の前にはたくさんの革が積まれていました。

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でここから担当者の方にご案内いただきます。

早速工程順に案内されますが、いきなり衝撃が!

 

靴を作るようになり革の製造も少しは解っていたつもりでしたが、実物はすごい迫力でした。

 

それがこれ。

何だかわかりますか??

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革だと思いますか?

 

実はこれ、革ではありません。

これは革になる前の皮。

いわゆる「原皮」というもの。

 

いきなり衝撃的なものを見せてしまいましたね 笑

 

革になる前の原皮。

これは世界中から仕入れられます。

原皮とは動物の皮を剥ぎ取った状態、このままだと腐ってしまうので塩漬けにされタンナー工場へ届きます。

 

だからこの通り、表面は塩漬け状態。

少し想像するような?香りも、、、します。

もちろん毛も付いたまま。

気持ち悪くなったら写真は見ないでくださいね〜><

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ちなみにこの皮は馬皮。

右側に積んであるものが輸入されたもの、そして左側は国産の馬なのですがなんと寿命を終えた競走馬らしいです。

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なぜ姫路のこの地域でタンナーが栄えたのか?

タンナーのある地域は全国的に見ても数は少なく、姫路が一番有名な地域です。

水がきれいな地域だったからなのかなと思い質問してみると、実ははじめ島根や鳥取などに伝わったそうですがダメで、次に新潟もダメで、行き着いたところが姫路の花田町だったようです。

 

何がダメだったのか?

 

それは「水質」だそうです。

水がきれいかどうかではなく、水質が革に合うかどうかという点が重要らしいのです。

詳しいことは難しいのでここでは除きますが、革に合う水質だったことがここにタンナーが広がった理由らしいです。

 

 

で、話を続きに戻しますね。

馬の高級革といえば、コードバン

コードバンは部分でいうとお尻にあたります。

でも実はコードバンは革の「層」の事だそうで、馬によってあったりなかったりするそうです。

だから値段も高いんですね。

 

しかもコードバンの表面、実は裏面が表になるらしいです。(吟面が裏になる)

初めて知りました〜

 

あとコードバンに特化した工場は世界に2社しかないそうです。

ここ姫路にある新喜皮革さんと、アメリカにある1社だけ!

最近フランスに1社できたそうなので、それを入れても世界で3社ですよ、すごくないですか><

 

 

で、話戻ってなかったですね、すいません 笑

塩漬けされた原皮。

まずは塩を洗い流す工程があるそうです。

木製の「太鼓」という大きなタルのような中に原皮を入れ水洗いしていきます。

洗濯機みたいにグルグルと太鼓が回り洗います。

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数回繰り返し、革をカットした後、石灰と薬品を入れ余分な毛などを抜いていくそうです。

ちなみに石灰は毛穴を広げるような役目であり、薬品が取り除く役目をしているとのこと。

この辺りの細かいところ、ややこしかったので何となくこんな感じだと思ってください 笑

 

 

次にいよいよ鞣し(なめし)作業です。

簡単にいうと、鞣しをすることで「皮」から「革」へ変化します。

 

この鞣し方法には種類があります。

大きく分けると2つ。 

 

1つは「タンニンなめし」。

植物のタンニンで時間をかけて作る方法。

1ヶ月ほどかけタンニンのプールに漬け込んだ革を「本ヌメ革」と呼ぶそうです。

先ほどの太鼓にタンニンと一緒に入れ、叩くことで浸透を早くする方法で作った革を「ヌメ革」と呼ぶそうです。

日焼けや経年変化で味が出る革がヌメ革(本ヌメ革)ですね。

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もう1つは「クロムなめし」。

写真のようなクロムという金属の粉末と一緒に鞣します。

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すると写真のような青白い革ができます。

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2つの鞣し方法ですが、どちらが良いというわけじゃなく、利点を知って商品によって使い分けるのが良いんだと思います。

 

ちなみにクロム鞣しをした革に、タンニンをなめす「コンビなめし」と言われるものもあるようです。

 

 

革が完成すると、こちらの別の太鼓で今度は染色です。

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これでひとまず革の完成です。

 

ここからは必要に応じて、表面の塗装や加工をします。

こちらは塗装のレーン。

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最後に吊るして乾燥させます。

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こちらの機械は天井に版型を固定し、平らな革やエンボス調の革に表情を変えていきます。

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この他にも揉んだり、叩いたりし風合いを出したりも^^

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という感じで 工場見学させていただきました。

やっぱり実際に見せていただくと、全然違いました。

 

何が違うかというと生き物の存在です。

生々しくもあり、原皮からは命を感じ取れました。

「革」になってしまえば感じ取れない「皮」の生々しさです。

 

動物を食べて、残った皮もいただき、もう人間の勝手ですよね。

でもそれで生かされている自分たち。

もう何が正しいのかわかりませんが、「モノ」ではなく「命」に接していることを忘れず、感謝しないといけないなと思いました。

 

靴も食事もまずは感謝です。

贅沢ってお金があるからできること?

本当は、無駄にせず、大切にし、感謝できること自体が、贅沢なんじゃないかなと思いました。

 

少し重たい話かもしれませんが、これが私たちが生きている事実です。

この機会に一度考えてみてくださいね。

 

長かったですが、読んでいただきありがとうございました。

そして大昌さん、お世話になりました。

ありがとうございました!